「清掃の委託費が毎年上がっている」「業者さんを変えようにも、なかなか踏み切れない」——病院の管理部門から、こうした声をよく耳にします。清掃の外注費は人件費の上昇に連動するので、業者を変えずに下げるのは難しいと思われがちです。でも、清掃ロボットを使うと「委託範囲の再設計」という別の道が生まれます。業者さんとの関係はそのままに、お願いする範囲を絞ってコストを下げる方法です。
この記事では、清掃委託費の見直しにロボットをどう使うか、具体的な考え方と進め方を紹介します。
なぜ清掃委託費は下がりにくいのか
清掃委託費が上がり続ける理由は、大きく3つあります。1つめは、最低賃金の引き上げが毎年続いていることです。業者さんの人件費が増えると、そのぶん「単価を上げさせてください」というお願いが施設側に来ます。2つめは、清掃スタッフの採用難です。人を集めるお金と、辞めさせないためのお金が増えています。3つめは、感染対策の強化で作業の中身が高度になっていることです。前と同じ仕事でも、手間が増えているのです。
この3つは仕組みの問題なので、「値下げしてください」とお願いするだけでは限界があります。委託費を本当に下げるには、業者さんに「お願いする作業の量と質」そのものを変える必要があります。
「委託範囲の再設計」という考え方
清掃ロボットを入れると、これまで委託していた仕事の一部をロボットに移せます。ロボットが受け持てるのは、廊下・待合室・ロビーなど、広い床の定期的な掃除です。ここをロボットに任せると、業者さんにお願いする範囲を「人でなければできない作業」に絞り込めます。具体的には、トイレ・洗面台・ドアノブなどよく手が触れる場所の拭き取り、病室まわりの掃除と消毒、窓や高いところなどの特殊な清掃です。例えるなら、食事の支度で「ごはんを炊くのは炊飯器、おかず作りは人」と分けるイメージです。
💡 委託範囲を「広い床の定期清掃」から「人にしかできない清掃」に絞ることで、委託時間数を減らし、コストを下げながら全体の品質は保てます。

再設計の進め方——3つのステップ
ステップ1:現在の委託内容を「分解」する
まず業者さんと今の仕様書(お願いしている作業の一覧表)を見ながら、作業を「ロボットに移せるもの」と「人が必要なもの」に分けます。廊下・待合室・ロビーなどの床掃除(面積と回数)を書き出すと、委託時間の何割をロボットに移せるか見えてきます。多くの病院では、委託時間の30〜50%がロボットに任せられる床掃除です。
ステップ2:ロボット導入コストと委託削減額を比較する
ロボットに移せる作業量をもとに、「減らせる委託時間×時間単価」で削減額を計算します。この削減額と、ロボットのレンタル費(OMNI:月9,800円〜、税別)を比べて、費用対効果を確認します。委託費の削減額がレンタル費を上回れば、その月からすぐ得になります。
ステップ3:委託業者と「変更仕様書」を作成する
ロボットに任せる範囲と、引き続き人にお願いする範囲をはっきり分けた新しい仕様書を作り、業者さんと合意します。今の業者さんとの関係を続けながら範囲を縮められるので、業者を変えるときのリスク(引き継ぎや品質低下)を避けられます。ロボットの管理・充電・簡単なお手入れを業者さんのスタッフにお願いする形にすると、話がスムーズです。

よくある懸念と回答
| 懸念 | 回答 |
|---|---|
| 委託業者が反発しないか | ロボット管理を業者が担う形にすれば、業者の役割が変わるだけで関係は続けられます |
| 清掃品質が下がらないか | ロボットはムラのない掃除が得意。人はよく手が触れる場所に集中できるため品質はむしろ上がります |
| 仕様変更の手続きが大変では | TakaLabotが委託範囲の再設計をサポートします。仕様書のひな型もご提供します |

業者との交渉を円滑に進める3つのポイント
委託範囲の見直しは、伝え方を間違えるとただの「値下げ要求」と受け取られ、関係がぎくしゃくするもとになります。うまく進めるポイントは3つです。1つめは、「値下げ」ではなく「役割の再定義」として話すこと。床掃除をロボットに移す代わりに、ロボットの管理という新しい役割をお願いする形なら、業者さんにとっても前向きな話になります。2つめは、お試し導入のデータを持って話すこと。「この場所はロボットで品質が保てた」という実績があれば、仕様を変える根拠がはっきりし、感覚のぶつけ合いを避けられます。3つめは、少しずつ進めること。一度に大きく削るのではなく、契約更新のたびに範囲を見直していく方が、お互いの負担が少なく、信頼関係も保ちやすくなります。
導入事例:清掃体制の再設計で週24時間分の人件費を削減
委託ではなく直接雇用のケースですが、考え方は同じです。宮崎県内の病院では、3人体制の清掃を「スタッフ2人+清掃ロボット3台(OMNI×2台、ONE×1台)」に再設計しました。広い床掃除をロボットに移し、人は人にしかできない作業に集中。ロボットは18時から夜中に動き、週24時間分の人件費を削減しながら「床がきれいになった」という評価を得ています。委託契約の場合も、「床掃除はロボットへ・人は大事な作業へ」という組み立てはそのまま使えます。
▶ 【導入事例】3人がかりの病院清掃が2人体制に。週24時間分の人件費を削減できた理由
よくある質問
Q. 委託契約の期間中でも見直せますか?
A. 一般的には契約更新のタイミングで仕様を見直すのがスムーズです。更新時期から逆算してお試し導入を始めておくと、削減効果のデータを持って交渉に臨めます。
Q. 削減額の目安はどう計算すればいいですか?
A. 仕様書からロボットに任せられる床掃除の時間数を拾い出し、委託の時間単価を掛けるのが基本です。計算の考え方は業務用清掃ロボットの費用解説記事も参考にしてください。
Q. ロボットの日常管理は誰が行いますか?
A. 委託業者のスタッフに担っていただく形がいちばんスムーズです。アプリでのスケジュール確認・ゴミの処理・簡単なお手入れが中心で、特別な技術は必要ありません。
まとめ:委託費削減は「範囲の見直し」から始まる
清掃委託費を下げるには、業者を変えるより「委託範囲の再設計」のほうが現実的で効果的です。清掃ロボットを軸にお願いする範囲を見直せば、業者さんとの関係を保ちながら、コスト削減と品質向上を同時にかなえられます。TakaLabotでは、委託範囲の再設計サポートも含めた無料相談を行っています。まず今の委託内容をお聞かせください。最適なプランをご提案します。
