「介護の合間に掃除。掃除の合間に介護。一日中バタバタで、どちらも中途半端な気がする」——介護施設の現場から、よく聞く悩みです。人を増やせればいいのですが、介護業界の採用はどこも苦戦中。そこでこの記事では、人を増やさずに介護施設の清掃を楽にする方法として、「分担設計」を3ステップで紹介します。誰が・何を・いつ掃除するかを設計し直すだけで、スタッフの負担は大きく変わります。
なぜ介護施設の清掃はこんなに大変なのか
まず、大変さの正体を整理しましょう。介護施設の清掃には、3つの特徴があります。
- 床面積が広い:廊下・食堂・ホール・居室と、毎日掃除すべき床がとにかく広い
- 毎日必要:利用者さんが暮らす場所なので、「週2回でいい」とはいかない
- 専任がいない:清掃専門のスタッフを置けず、介護職員が兼任している施設が多い
とくに3つめが問題です。介護職員が掃除に使う時間は、そのまま介護に使えたはずの時間です。ケアマネージャーの方へのヒアリングでも、掃除に追われる職員から「私は何をしてるんだろう」という声が上がると聞きました。掃除そのものが悪いのではなく、「介護のプロが床のモップ掛けに時間を取られている」配置がもったいないのです。
ステップ1:清掃の仕事を全部書き出す(棚卸し)
分担設計の最初の一歩は、今やっている掃除を全部書き出すことです。例えるなら、冷蔵庫の整理と同じです。中身を全部出して並べてみると、「同じものが2つある」「これはもう要らない」が見えてきますよね。清掃も、書き出してみると「思った以上に床掃除に時間を使っていた」ことに気づく施設がほとんどです。
書き出すときは、①場所(廊下・食堂・トイレ・居室…)、②作業(掃除機・モップ・消毒・ゴミ回収…)、③かかる時間、④今やっている人、の4つをメモするだけで十分です。1週間分を書き出せば、施設の清掃の全体像が見えます。
ステップ2:「機械に任せる仕事」と「人がやる仕事」に分ける
次に、書き出した作業を2つに分けます。分け方はシンプルで、床の掃除は機械(清掃ロボット)、それ以外は人が基本です。
| 担当 | 作業の例 | 理由 |
|---|---|---|
| ロボット | 廊下・食堂・ホールの掃除機掛け、水拭き | 広い床の往復作業は機械が得意。毎日同じ品質でムラがない |
| 人 | トイレ・洗面所、手すりの消毒、ベッドまわり、こぼれ物の対応 | 細かい判断や消毒の徹底は人にしかできない |
ポイントは、全部を機械にやらせようとしないことです。ロボットが担当できるのは床だけ。でも、床は清掃時間の中でいちばん大きなかたまりなので、ここが消えるだけで人の負担は目に見えて軽くなります。導入前に気になるデメリットや「ガラスや消毒はどうするの?」という疑問には、ケアマネージャーに聞いた本音Q&Aの記事で正直に答えています。

ステップ3:時間帯を決める— ロボットは「人がいない時間」に動かす
最後のステップは、時間割づくりです。介護施設でロボットを動かすなら、おすすめは夜間や早朝など、利用者さんが廊下にいない時間帯です。歩行が不安定な方との接触の心配がなく、日中の生活の邪魔にもなりません。
「夜に機械を動かして、音は大丈夫?」という心配は当然あります。ヒアリングでは「拭き上げモードや除塵モードなら、音はほとんど出ない」という評価をお伝えしていますが、音の感じ方は建物によっても変わるので、気になる施設は導入前に実機での確認をおすすめします。夜間清掃の詳しい運用は介護施設の夜間ロボット清掃活用術をご覧ください。
例えるなら、洗濯機のタイマー予約と同じ発想です。人が寝ている間に洗濯が終わっていれば、朝の家事はぐっと楽になりますよね。床掃除も、朝スタッフが出勤したときには終わっている状態を作れるのです。
分担設計で現場はどう変わる?
実際に清掃ロボットを導入した現場では、はっきりした変化が出ています。宮崎県内のある病院では、床清掃をロボットに任せたことで週24時間分の人件費を削減。ある大学では人員1名分・月約15万円のコスト削減につながりました。
そしてお金より大きいのが、時間の使いみちの変化です。床掃除から解放された職員は、利用者さんと向き合う時間、記録や申し送りの時間に余裕ができます。「介護の時間が増えた」という変化の詳しい中身は、スタッフ配置が変わる記事で紹介しています。

小さく始めるなら:1フロア・6ヶ月から
「いきなり施設全体は不安」という場合は、小さく始めるのがおすすめです。TakaLabotの清掃ロボットは月額レンタルのみで、初期費用0円・メンテナンス費用込み・最短6ヶ月から。小型のOMNIなら月額9,800円〜(税別)なので、まず1階の廊下と食堂だけ、といった始め方ができます。
6ヶ月使ってみて、「音は気にならないか」「仕上がりはどうか」「職員の時間はどれくらい浮いたか」を確認してから、範囲を広げるかを判断すればリスクは小さくすみます。
よくある質問
Q. 認知症の入居者がいます。ロボットとの接触が心配です。
A. だからこそ、夜間や利用者さんが居室にいる時間帯だけ動かす運用がおすすめです。安全に使うためのポイントは認知症の入居者がいる施設での導入ポイントの記事で詳しく解説しています。
Q. 居室の中まで掃除できますか?
A. まずは廊下・食堂・ホールなどの共用部から任せるのがおすすめです。居室は家具やモノが多く、ロボットが苦手な環境だからです。共用部だけでも床面積の大きな部分を占めるので、効果は十分感じられます。
Q. 感染対策にも役立ちますか?
A. 床を毎日同じ品質で清掃し続けられることは、衛生管理の土台になります。詳しくは感染症リスクを下げる清掃の記事をご覧ください。
まとめ:人を増やせなくても、掃除は楽にできる
介護施設の清掃を楽にする分担設計は、①清掃の仕事を全部書き出す、②床は機械・それ以外は人に分ける、③ロボットは人のいない時間帯に動かす——の3ステップです。人を増やさなくても、介護職員が本来の仕事に集中できる体制は作れます。
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