「ロボットで本当に人件費が減るのか」。これは導入をご検討中のどの施設からも聞かれる質問です。今回は、宮崎県内の病院(3階建て)で実際にあった導入事例を、導入前の課題から検討の経緯、数字の変化まで詳しくご紹介します。
導入前:3人がかりでも回りきらない清掃
この病院では、1階の外来、2階の検査エリア、3階の病棟を、2名のスタッフが1日かけて清掃し、さらに3人目のスタッフが半日応援に入る体制でした。床面積が広く、床のモップ掛けだけで一日の大半が終わってしまう状況だったのです。
課題は人件費だけではありませんでした。応援に入るスタッフのシフト調整が毎週の悩みの種になっており、急な欠勤があると清掃範囲を削らざるを得ない日もありました。また、人手による清掃はどうしても担当者や体調によって仕上がりに差が出ます。「今日は外来の床が念入り、病棟はさっと」というムラが、目に見えない形で積み重なっていました。

導入内容:夜間にロボット、日中は人が細部を
導入したのは、小回りタイプのOMNIを2台(外来・検査エリア)と、大型のONEを1台(病棟の廊下)。人がいない18時から夜中の時間帯にロボットが床清掃を終わらせ、日中はスタッフがトイレや細部の清掃に集中する分担に変えました。
導入の前には、現場で床の素材や人の通り道を確認し、実際にロボットを走らせるデモを行ったうえで、夜間の清掃ルートを決めています。「機械が夜中に勝手に動いて大丈夫なのか」という現場の不安には、センサーで物や人をよけられること、そして走る場所をあらかじめ決めておくことで対応しました。運用開始後に大きなトラブルは起きていません。
導入後:週24時間分の人件費を削減
結果として、3人目のスタッフの半日応援(1日4時間×週6日=週24時間分)が不要になり、2名で回る体制になりました。週24時間は、月に換算するとおよそ100時間分の人件費に相当します。たとえば時給1,200円なら月12万円前後、年間では140万円を超える規模です。
現場からは「床がきれいになった」という声もいただいています。ロボットは毎日同じルートを同じ品質で清掃します。例えるなら、「絶対に手を抜かない担当者」が毎晩必ず入ってくれるようなもの。人手だとどうしても出てしまう「ムラ」がなくなるのです。夜間に床清掃が終わっているため、朝いちばんの外来ロビーが常に磨かれた状態で患者さんを迎えられるようになった点も、病院側に評価されています。

この事例のポイント
- 人を減らすのではなく、応援分の残業・パート時間を減らした — 雇用を守りながらコストを下げる形なので、現場の反発が起きにくい進め方です。
- 夜間の無人時間帯を清掃時間に変えた — 人の勤務時間を増やさずに、清掃時間だけを増やせました。
- 人はトイレ・細部など「人にしかできない清掃」に集中 — ロボットと人の役割分担を先に設計したことが、品質と効率の両立につながっています。
- 導入前のデモで仕上がりを確認してから決めた — 「思っていた品質と違う」という導入後のギャップを防げました。
導入はどう進んだか — 相談から運用開始まで
この病院の導入は、無料相談からスタートしました。ヒアリングで「床のモップ掛けに時間を取られている」という課題を確認し、現地確認で床材・段差・夜間の動線をチェック。実際の現場でデモ走行を行い、清掃品質を病院側に確認してもらったうえで契約に進んでいます。
導入時には、清掃ルートの設定・稼働スケジュールの登録をTakaLabot側で行い、現場スタッフには日常操作(スタート・ストップ程度)の初期講習だけを実施しました。「機械に詳しい担当者がいないと無理なのでは」と心配される施設は多いのですが、実際に現場の方が行う操作はごくわずかです。導入の流れの詳細は導入5ステップの記事にまとめています。
病院以外の施設でも、同じ考え方が使えます
この事例のいちばんのポイントは、「広くて単調な床そうじはロボットに、細かいところは人に」という分担にあります。介護施設・オフィスビル・商業施設・学校など、広い床面積を毎日清掃している施設であれば、どんな業種でも同じやり方ができます。「まずは1フロアだけ」「外来エリアだけ」といった部分導入から始めて、効果を確認しながら範囲を広げていく進め方もできます。病院への導入手順を詳しく知りたい方は病院導入の手順と注意点を、費用の考え方は費用対効果の解説記事をあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 夜間の無人稼働で、事故やトラブルはなかったのですか?
A. この病院では運用開始後、大きなトラブルは起きていません。ポイントは導入前の設計です。センサーによる障害物検知に頼るだけでなく、夜に人や物が動かない場所を走るルートに選び、段差やカギのかかる区画は最初から避けるようにしています。
Q. 患者さんがいる日中の時間帯には使えないのですか?
A. 使えます。センサーで人を検知して回避するため、日中の稼働も可能です。ただしこの病院では「夜間に床を終わらせておく方が、日中のスタッフの動きが楽になる」という理由で、あえて夜間中心の運用を選びました。施設の事情に合わせて時間帯は設計できます。
Q. うちは小規模ですが、それでも効果は出ますか?
A. 施設の規模より「床清掃にどれだけ時間を使っているか」で決まります。小規模ならOMNI(月額9,800円〜・税別)1台の部分導入から始める選択肢もあります。クリニック・中小病院向けのポイントはこちらの記事にまとめています。床清掃に1日2時間以上使っている現場なら、規模にかかわらず試算してみる価値があります。
あなたの施設ではどうなるか、試算できます
同じ計算を自施設の数字でやってみたい方は、無料の経費削減シミュレーションをどうぞ。床面積とスタッフ体制を入れるだけで、月間・年間・5年間の削減見込みが分かります。結果は印刷して、そのまま院内・社内の検討資料に使えます。
現場を見てほしいという方は無料相談から。九州7県は現地確認・無料デモまで直接対応します。お電話(0985-25-8265、平日9:00-17:00)でも受け付けています。
