病院清掃の委託費用を見直す前に知っておきたい3つのこと — 内訳・リスク・第3の道

病院清掃の委託費用を見直す前に知っておきたい3つのこと

「清掃会社から値上げの相談が来た」「経営会議で委託費の見直しを求められた」——病院の事務長さんや総務の方から、こうした声を聞くことが増えました。ただ、あわてて相見積もり(複数の会社から見積もりを取ること)を始める前に、知っておいてほしいことが3つあります。この記事では、病院清掃の委託費用の中身と、見直しの正しい順番を解説します。

目次

病院清掃の委託費用、その中身はほとんど「人件費」

最初に、委託費の中身を知っておきましょう。病院清掃の委託費用は、その大部分が清掃スタッフの人件費です。残りが資機材(洗剤・モップ・機械など)の費用と、清掃会社の管理費・利益です。

例えるなら、レストランの料理の値段に近い構造です。材料費より、作る人・運ぶ人の人件費と店の運営費が大きい。清掃も「モノ」ではなく「人の労働」を買っているサービスなので、値段は人件費でほぼ決まります。

この構造が分かると、大事なことが見えてきます。委託費を下げたければ、「人の労働時間」を減らす工夫がないと、どこかに無理が出るということです。

知っておきたい① 人件費はこれからも上がり続ける

1つめに知っておきたいのは、値上げの背景です。最低賃金は毎年上がり続けており、清掃業界は人手不足も深刻です。ビルクリーニングの有効求人倍率は約2〜3倍で、清掃会社は賃金を上げないと人を集められません。

つまり、今回の値上げ打診を断れたとしても、来年また同じ話がやってきます。委託費の見直しは「今回をしのぐ」のではなく、「上がり続ける前提でどう設計し直すか」で考える必要があります。

知っておきたい② 値下げ交渉だけだと、品質が下がって返ってくる

2つめは、値下げ交渉のリスクです。委託費の大部分は人件費なので、金額だけを下げると、清掃会社が取れる手は「人数を減らす」「時間を減らす」「安い人材に替える」くらいしかありません。

例えるなら、お弁当屋さんに「同じ内容で100円安くして」と頼むようなものです。応じてもらえたとしても、おかずがひとつ減るか、材料のランクが下がるか、どこかで帳尻を合わせるしかありませんよね。病院の場合、清掃品質の低下は院内感染のリスクや患者さんの印象に直結するので、「安くなったが汚くなった」では本末転倒です。

病院清掃の委託費見直しの3つの知識(人件費構造・値下げのリスク・範囲の再設計)の図解
金額の交渉より先に、「仕事の中身」の見直しから入るのが安全です

知っておきたい③ 「金額」ではなく「範囲」を見直すという第3の道

3つめが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。委託費の見直しには、値下げ交渉でも業者変更でもない、第3の道があります。それが委託範囲の再設計です。

病院清掃の作業時間のうち、大きな割合を占めるのが床の清掃です。外来ロビーや長い廊下のモップ掛け・機械洗浄は、毎日必要で、時間もかかります。この「床」の部分を清掃ロボットに置きかえると、人にお願いする作業は、トイレ・病室まわり・消毒・仕上げなど「人にしかできない仕事」に絞られます。人の作業時間が減るので、委託費を下げる余地が品質を落とさずに生まれるのです。

委託範囲をどう組み直すかの具体的な手順は、病院の清掃委託費を見直す——委託範囲の再設計の記事で詳しく解説しています。

実例:週24時間分の人件費が削減できた病院

宮崎県内のある3階建ての病院(1階外来・2階検査・3階病棟)の例です。それまで清掃は2名が1日がかり、さらに3人目が半日かけて行っていました。

そこで、外来と検査フロアに小型ロボットOMNIを2台、病棟の廊下に大型ロボットONEを1台導入。ロボットは18時から夜中にかけて、人のいない時間に床を掃除します。結果、3人目の半日作業がまるごと不要になり、1日4時間×週6日=週24時間分の人件費を削減。2名で回る体制になりました。

現場からは「床がきれいになった」という声も出ています。ロボットは毎日同じルートを同じ丁寧さで掃除するので、ムラが出ないためです。この事例の詳しい経緯は導入事例の記事を、削減額の試算方法は病院の清掃コスト削減の試算記事をご覧ください。

病院の廊下を夜間に自動清掃する大型清掃ロボットONE
ロボットは夜間の無人時間に床を清掃。人は日中の消毒・仕上げに集中できます

見直しの順番を表で整理

順番 やること ポイント
1 委託費の内訳を確認する 仕様書で「どの作業に何時間かかっているか」を把握する
2 床清掃の時間を洗い出す ロボットに置きかえられる作業=床の面積と頻度を確認
3 範囲の再設計を清掃会社と相談する 「床はロボット・人は水回りと消毒」の分担案を出す
4 金額を再交渉する 人の作業時間が減った分だけ、根拠を持って交渉できる

ポイントは、金額交渉を最後に持ってくることです。作業時間という根拠があれば、清掃会社との関係を壊さずに、無理のない金額に落ち着けます。

よくある質問

Q. 範囲の見直しを持ちかけたら、清掃会社との関係が悪くなりませんか?
A. 心配しすぎなくて大丈夫です。清掃会社自身も深刻な人手不足で、「人を減らせる提案」はむしろ歓迎されるケースが増えています。国もビルメンテナンス業の省力化(機械に置きかえて人手を減らすこと)を後押ししています。

Q. 薬品庫など、入ってほしくないエリアがあります。
A. ロボットは決めたルート・エリアだけを走るように設定できます。立ち入り禁止の場所を避けた清掃計画を導入時に作りますので、ご安心ください。

Q. 小さなクリニックでも効果はありますか?
A. あります。小型のOMNIなら月額9,800円〜(税別)なので、待合室と廊下の毎日のモップ掛けが減るだけでも、スタッフの時間はしっかり浮きます。

まとめ:委託費見直しは「安くしろ」より「仕事を減らそう」

病院清掃の委託費用は、①中身はほぼ人件費で、これからも上がる、②値下げ交渉だけだと品質低下で返ってくる、③「床をロボットに任せて委託範囲を絞る」という第3の道がある——この3つを知ってから動くと、見直しの成功率が大きく変わります。

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この記事を書いた人

宮崎県の清掃ロボットレンタル会社「株式会社TakaLabot」のブログ編集部です。病院・介護施設・スーパーなど5つの現場で実際に使われている経験をもとに、現場で役立つ情報をやさしい言葉でお届けします。

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